第二章

あんパンとパンプキンスープ

朝のルーティンを終えてとあるパン屋へ。これも私のルーティン。そこで焼きたてあんパンとパンプキンスープをいただく。何十種類も出来立てパンが並ぶのに、あんパンだけは譲れない!(笑)幼少期に好物だったものは生涯変わらぬものなのか!?そんな疑問はさておき、このルーティンをしながら仕事と頭の整理をするためノートPCを前に取り掛かる。調査のために集めた大量の資料を読んだり、お客様の業界事情を調べたり、自分なりの考察を検証してみたり、甘い香りに包まれた朝の静かなパン屋であんパンをほお張りながら、パンプキンスープで喉に流し込む。

お客様のそれぞれが難しい局面に立ち向かうなか、顧問税理士として出来ることは何か、どのような対策や支援が必要かを考え、市場や社会を自ら考え調べる時間が貴重だ。「B社長がこんな事で迷っていたぞ」「あのS社長は工場を拡大したいと言っていたなぁ」お客様一人一人の顔を浮かべながら、何が必要か経営資料を見ながら考えを巡らせる。解決のためにネットで気になる本を次々に買うので経理のAさんからは、「注文の明細がないと経費になりませんよ!」と厳しいお叱りをうける始末だ。

静寂とは違うこの雰囲気が心地よく、人気もないのでコロナ感染も防げて一石二鳥。

他の客も居ないのでパン屋のお姉さんともすっかり顔見知り。私があんパン持ってカウンターに立つとパンプキンスープの準備をしてくれる。4年間食べても飽きないのが不思議だ。意外にも私は飽き性ではなかったみたい(笑)

その後の仕事のスケジュールに合わせて北へ南へと移動する。コロナ禍で随分と仕事に制限があったものの、この間に改めて経営を学びなおすことが出来た。奇しくも社会がコロナによって構造変化している最中に、お客様事業のために繋がる深い学びになり災い転じて福となった。

お客様のために。いつも新しい情報収集と勉強に余念がない私だが、焼きたてを告げるパン屋のお姉さんの呼びかけについ、17個のパンを買って社員へ配るのが私の悪い!?クセ。果たしてパンの差入れは喜んでもらっているのだろうか。





TOP